Waver まだ見ぬ春

懐中電灯の光が照らされる。

「ここ…にいます」

私はジャージをまとい必死で合図を送る。

「私、男手を連れてきますっ」
「すぐ助けるからな。もう少し待てるか」

野太いおじさんの声が響く。
あれ…校長せんせ?

「君はうちの学校の生徒だよな?」

こくんと頷く。

「す…すみませんでした」

「謝ることはない。生きていればそれでいいんだ」

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