Waver まだ見ぬ春
二人の会話が何を意味するのか分からない。
それより体中に浴びる日の光はなんて気持ちが良いんだろう。
お兄さんの腕から下りた私はうーんと伸びをした。
「君…これから想像を絶するような光景を目にすると思うが、決してくじけちゃダメだ。いいね?」
消防団のおじさんが私に声を掛けた。
「へ?」
またまた
何を意味するのか分からない。
当たり前だ。
この時の私は
何が日本で起こったのか想像することすら拒んでいたのだから。