Waver まだ見ぬ春
役所のお姉さんとは仲良くなった。
今は同じ避難所で暮らしている。
震災は私からたくさんのものを奪っていったけど、このお姉さんに会えたことはとても有難かった。
命の恩人であるということもそうだが、とても良い相談相手になってくれる。
ノートもケータイも何もない今、言葉にすることで私の感情は幾分整理された。
彼のことを話した時も一緒に泣いてくれた。
「おはようございます。あの…」
「今日もまだ情報は入ってないの。ごめんね」
他にも色々な問い合わせが殺到しているというのに、本当に残念そうな顔をしてそう告げてくれる。
その顔を見るたびに
頑張らなきゃ…と思えてくる。