Waver まだ見ぬ春
町を歩いているうちに
あのお兄さんとも顔なじみになった。
たまたま里帰りしたが、故郷がこんな大変なことになってしまった以上、見捨てて帰ることはできなくなったそうだ。
今はボランティアとして瓦礫の撤去を手伝ったりしている。
お姉さんとも連絡先を交換しているようだ。
自分の仕事に追われて再会の喜びに浸る暇なんて全くないけど、どこかで通じ合っているんだろうなーって思う。
私のこともよく気にかけてくれるし…
だけど
そんな二人と自分を比べていると、とてもつもなく暗い気持ちになる時もある。
羨ましいなぁっていう感情がドロドロしている自分が嫌になる。
子供じみた感情だって十分分かっているのに。