僕じゃない
やけに身体が熱い。

額に汗で髪が張り付く。

今まで僕はこんなに走ったことはあっただろうか?


ハァハァと苦しそうな自分の呼吸が耳から入って、心臓がバクバクいっている。
僕はどれくらい走っただろう、一駅分はきたというところで止まった。
そして乱れた呼吸と整えるためにゆっくり歩き出した。


暑い、暑い。頭がグラグラしている。気分が悪い。


そして呟く。


「僕が・・・死んだ。」


たった今電車に轢かれて死んだのだ。

きっとぐちゃぐちゃになっただろう。

じゃあ

今、ここで汗を流しながら知らない街を歩いている 僕は?


「僕は、何者なんだろう?」


今ここで、生きている僕は?
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