あなたの隣は…(短編集)
「優ちゃん、放課後、ちょっと残ってくれる?」
真剣な表情のまま、静はそう言った。
あたしは断れるはずも無く、黙って頷いた。
昼休み
「優貴、これも自信作なの。食べてみてくれる?」
「おー、いるいる。」
「お前、食い過ぎ!!」
「何だ、嫉妬か?知。」
天気の良い空の下、屋上であたしと麻芽と知は輪を作っている。
麻芽は知の弁当も作っていて、あたしは知の分も食べようとしていた。
「静君は?」
「あー…何かわかんねぇけど用あるから来ないって。」
「ふーん。」
あたしは真剣な顔の静を思い出していた。
放課後…
放課後、何があるんだろう?
もしかしたら…
いやいや、自惚れるな自分。
きっと、宿題の手伝いだ。
いや、それはあたしが頼む時か。
いやでも、量があるとか。
いや、あいつならすぐ終わらす…
あ゙ー…いったいなんなんだ!!
あたしが眉間にシワを寄せて考えていると、麻芽が心配そうに顔を覗きこんできた。
あたしは首を振り、笑って見せた。
麻芽が自信作だと言った、味付けが塩コショウだけのポテトサラダは、凄くおいしかった。