あなたの隣は…(短編集)

「そう…ありがとう、聞けて嬉しかったわ。それと…あのね、私、プレゼント、用意してないの。」

申し訳なさそうに言うみどりに、淳は首を振った。

「いい。お前の気持ちはわかっているつもりだから。」
「でも…受け取って?」
「ん?」


「私、淳のこと、好きよ。愛してる。この世界中の誰よりも、何よりも、淳、あなたのことが好き。」



タイムリミットまで

あと1時間19分


みどりの初めての愛の言葉に、淳は堪えきれなくなり、自分の唇をみどりのそれに押しつけた。


4回目の結婚記念日のタイムリミットに間に合った、笠目夫婦。

みどりの左手薬指には真新しい指輪が、

淳の目にはみどりの微笑みが、


輝いていた。



< 68 / 100 >

この作品をシェア

pagetop