あなたの隣は…(短編集)
それは丁度私の家の前。

自棄になった私は、思ってもいなかったことを口走っていた。

「…先輩、もう私に関わらないでください。」
「え?」

「私は、先輩と一緒にいたくないんで。じゃ。さよなら。」


私は振り返る事なく、門に手をかけた。が、それ以上前に進めない。


門にある手じゃない方の手を見ると、ガッシリと先輩の手と繋がっていた。

「なんすか?」
「今からちょっと付き合ってもらえる?そこにあった公園まで。」


この人は話を聞いていたんでしょうか?

私は穏やかに笑う先輩を見て、目を伏せ大きくため息を吐いた。

そして、先輩に引かれるまま付いて行き、近所の公園のベンチに2人並んで座った。
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