あなたの隣は…(短編集)
「俺の初恋話、聞いてくれる?」
暫く黙っていた先輩は、いきなり私の返事を待たずに話し出した。
――――――――――
俺が小学生の時、俺はこの近くにある小高い丘に行くのが大好きだった。
そこから見下ろせば町が広がり、見上げればいつもより空が近く感じられた。
その丘は、俺の特別な場所だった。
冬の晴れた日、前日に雪が積もって、きっと町は真っ白で綺麗なんだろうなと思った俺は、駆け足で丘に行った。
すると先客がいた。
栗色のフワフワした髪を2つに結った同じ年ぐらいの女の子。
その女の子は、スケッチブックを左手に、鉛筆を右手に持ち、ちょっとした石の上に座って絵を描いていた。
足下には24色の色鉛筆もあって、この子は絵を描く為に来たんだとすぐにわかった。
その女の子は、俺に気づく事なく黙々と描いてた。
寒さも時間も関係ないように。
俺は女の子に話しかけずに、斜め後ろから彼女の横顔と浮かび上がってくるように出来ていく絵を見ていた。
驚いた。
ただそれだけ。
真っ白だと、冷たい、寒いと思われる町にその女の子は色を使って暖かみを出したんだ。
暫く黙っていた先輩は、いきなり私の返事を待たずに話し出した。
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俺が小学生の時、俺はこの近くにある小高い丘に行くのが大好きだった。
そこから見下ろせば町が広がり、見上げればいつもより空が近く感じられた。
その丘は、俺の特別な場所だった。
冬の晴れた日、前日に雪が積もって、きっと町は真っ白で綺麗なんだろうなと思った俺は、駆け足で丘に行った。
すると先客がいた。
栗色のフワフワした髪を2つに結った同じ年ぐらいの女の子。
その女の子は、スケッチブックを左手に、鉛筆を右手に持ち、ちょっとした石の上に座って絵を描いていた。
足下には24色の色鉛筆もあって、この子は絵を描く為に来たんだとすぐにわかった。
その女の子は、俺に気づく事なく黙々と描いてた。
寒さも時間も関係ないように。
俺は女の子に話しかけずに、斜め後ろから彼女の横顔と浮かび上がってくるように出来ていく絵を見ていた。
驚いた。
ただそれだけ。
真っ白だと、冷たい、寒いと思われる町にその女の子は色を使って暖かみを出したんだ。