あなたの隣は…(短編集)

午前中で授業が終わった学校の屋上。
晴れ渡った青い空の下で、私と先輩は日向ぼっこがてらに話をしていた。


「そういえば………
中学の時の美術コンクールでは、確かに大賞とりましたよ。字がメグミっていうのだから、勘違いしてたんスね。」

「そーだねぇ。バカだったね、俺…」
「前から知ってたっス。」
「ガーン…!」

「プハッ、先輩変な顔。」
「んなことねぇし!俺はブサイクじゃねぇぞ!」
「ブサイクとは誰も言ってませーん。」
「なっ…そっか…。」

「プッ。ハハッ、先輩百面相!」


繋いだ手は先輩のコートのポケットの中。

逆の手には手袋。

先輩の空いてるほうの手には、私の手袋の片方がしてあり、私が描いたあの風景画があった。


去年、描き上げて夏のコンクールに出品し、また大賞を取った。

その絵は私のお願いで、今日特別に手元に戻って来た。


その絵は先輩へプレゼントした。


先輩の告白から1年。

私から先輩への1周年記念のプレゼント。


先輩からはシンプルなネックレスを貰った。

指輪よりも嬉しいなんて、変かな?

だって指輪は絵を描いていると、汚れてしまうからネックレスの方が嬉しい。

って言ったら、先輩は「知ってた」って笑ったんだ。


フェンスにもたれた背中に太陽の光をたくさん浴びて、私達は笑いあった。


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