あなたの隣は…(短編集)
「書けましたっ。」
「見せて見せて!」
「はい、どうぞ?」
私が書き直したプロフィールを見て、先輩は柔らかく笑ったんだ。
あなたは私のプロフィールを見る度に笑うんだね。
ね、何がおかしいの?
ね、何が嬉しいの?
ね、なんで幸せそうなの?
「似てるね、この絵。」
「でしょ?私、天才?」
「ははっ、バァカ。」
「冗談ス。」
「知ってる。」
優しく触れた唇は、綺麗な弧を描いていて、いつもと違って変な感じがした。
プロフィールの端のラクガキ。
私が初めて授業以外で描いた人物画。
笑うあなたの頬に笑う私がキスしてるラクガキ。
あなたはまたプロフィールを見て笑う。
そして、私も見て笑ったんだ。