あなたの隣は…(短編集)

「書けましたっ。」
「見せて見せて!」
「はい、どうぞ?」



私が書き直したプロフィールを見て、先輩は柔らかく笑ったんだ。




あなたは私のプロフィールを見る度に笑うんだね。


ね、何がおかしいの?


ね、何が嬉しいの?


ね、なんで幸せそうなの?



「似てるね、この絵。」
「でしょ?私、天才?」
「ははっ、バァカ。」
「冗談ス。」
「知ってる。」


優しく触れた唇は、綺麗な弧を描いていて、いつもと違って変な感じがした。




プロフィールの端のラクガキ。



私が初めて授業以外で描いた人物画。
笑うあなたの頬に笑う私がキスしてるラクガキ。



あなたはまたプロフィールを見て笑う。




そして、私も見て笑ったんだ。




< 99 / 100 >

この作品をシェア

pagetop