僕はショパンに恋をした
俺がいた舞台の袖から、もう一台グランドピアノが現れた。

舞台の真ん中のグランドピアノの横に、運びこまれた。

静かだった会場が、ざわつき始める。

そして折り畳みのイスを片手に持ち、正装した人達が、各々の楽器を持って出てきた。

いよいよざわめきが大きくなる。

「ちょっと、あれ、オーケストラ?」

「うそ、だってアンコールだよ?」

「ソロリサイタルのアンコールが、オーケストラなんて、聞いたことないわ。」

「っていうか、ありえない。」

そんな会話があちらこちらから聞こえてきた。

そして思い出す。

生まれて初めて土下座したした日のことを。

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