僕はショパンに恋をした
俺の学校は、都内にあるエスカレーター式の私立学校だ。

高校受験や大学受験がないこともあって、みんなのんびりしている。

俺みたいに、やれ次のコンクールだ、やれ試験だと、せかせかしている奴は少ない。

何だか違う時間軸を生きてるみたいだと言われたことがある。

悪かったな、ずれてて。

言われた時には、むっとしたが、なるほど、そうみたいだ。

こうやって時間ができても、共にすごせる人がいないのだから。

仕方ないから、帰り道の途中、ちょっとしたルールを決めてみた。

(そうだな、次に日傘を持った人を見たら、その人について行こう。)

適当な条件を自分に出してみた。

その人はすぐに見つかり、俺は迷わずついて行くことにした。
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