僕はショパンに恋をした
それにしても、この歳で、友達談義なんぞするなんて、えらく恥ずかしい真似ができたもんだ。

いや、こういう青臭い話ができるというのが、友達なんだろうか。

よく分からないけど、シオンとのスタンスは、ひどく居心地が良い。

今までの回りにいた奴等とは、違う。

出身だとか、親の地位だとか、コンクールの賞の数だとか、そういうわずらわしいものがない。

ただ、生身の俺と対話している。

ダメだしされても、いつもならカチンとくるけど、シオンに、しかも年下のガキに言われても、嫌な感じはない。

こういうのが、友達…?

ちょっと、あったかい気持ちになったとき、料理が運ばれて来た。


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