総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
愛する人へ・・・ ~ヤミside~
なにがっ!!
なにが“自分ではもうシンは止められない”だ。
いくらでも止める方法はあったんだ。
シンを殺して俺も死ねばよかった。
溜り場に火を放っても良かった。
だけど。
だけどそうしなかったのは、俺が弱かったから。
どこの世界に自分の“愛する奴”にシンを・・・悪魔を殺す手助けをさせる奴がいるんだよぉ!!
俺はどこまでも最低で最弱な奴なんだ。
「あぁ。リトか?・・・あぁレナを今から狂獣連合に引き渡す。あいつらも捜してんだろう?」
電話の向こうが騒がしい。
たぶんPoseidonの溜り場にいるんだろうな。
「あぁ。そうだ。それで頼みがある。」
電話を切り、空を見上げる。
レナ。俺はお前を最後まで守り抜けるという自信がないよ・・・。
恥ずかしながら今だって、お前を狂獣連合に引き渡すだけで手一杯だ。
カッコ・・・・わるいよな・・・・。