総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
「獣はな。みんな何かしら“闇”を抱えてるもんだ。その影の部分を隠すために牙をむくんだ。隙間に入りこまれたらおしまいだからな。」
俺は何も言えなかった。
そんな意味があったのか、と少し感心してしまった。
「俺、言ったよな。お前に。」
「え・・・。」
「ほんと、良い眼してるよお前。」
俺の頬を右手で包むヒサの手はものすごく温かくて、大きかった。
「必死に影の部分を隠そうとしてるのがわかる。」
「!!?」