総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
それにしても懐かしい夢だった。
儚い夢だった。
ベッドで仰向けになりながら、ヒサの言葉を頭の中でリピートする。
『お前に、兄貴はいねぇ・・・』
この16年間の生活の中で、お兄ちゃんのいない生活なんてありえなかった。
ものすごく最低だけどあたしにはものすごく優しかった。
シンたちのことを知らなかった頃のあたしにはヤミはヒーローだった。
「はぁ・・・・・。」
頭の中はグチャグチャだ。
心の中はドロドロだ。