総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
ヒサの鼓動が、あたしに伝わってくる。
一定のリズムで刻まれる鼓動。
心地いい。
あ、こうやってヒサの鼓動があたしに聞こえるように、ヒサにもあたしの鼓動が聞こえてる!?
もしそうだったらどうしよう!!
恥ずかしすぎる!!
―――――ドクン、ドクン、ドクンっ
あたしの鼓動とヒサの鼓動が重なり合う。
何度も手放しかけた命。
シンの檻の中にいるとき、何度も死ぬことについて考えた。
だけど、臆病者のあたしは、怖くなってその考えを消すことしかできなかった。
生きることなんて、考えたこともなかった。
首にかかる、首輪がその時の現実を鮮明に思い出させる。
天神連合TOPの女の印。
神の如く、羽の生えた十字架のネックレス。