総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】

けど、言わなかったらもっとあたしと距離が出来るんじゃないかって。


迷ってる。


自意識過剰かもしれない。


でも、この目をあたしは知ってる。


いつも鏡で見ていた目。


天神連合にいたときの、あたしの目だ。


何かを伝えたい。


でも、伝えたらあたしは居場所がなくなる。


「ヒサ・・・・。」


大丈夫だよ、ヒサ。


ここにはヒサの居場所が、ちゃんとある。


許されるなら、あたしもあなたの帰る居場所でありたい。


そんな烏滸がましいことまで、考えるなんて。


まだまだ、夢の話なのにね・・・。


「あたしは、いなくならないよ。」


これだけは、真実だから。


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