総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
「なんか、言ったか黒サン」
ヒサがヨウから目線をはずし黒サンを睨む。
てか、ヒサもそう思ってたのか。
なんだか笑いがこぼれる。
「いえ、茶々を入れてスミマセン。」
「ほんとだよ」
ヨウがゆっくり頭をあげる。
「邪魔してんじゃねぇよ」
さっきのような気怠い声じゃなく、冷たく凍てつくような声で黒サンを流し目で睨む。
その瞳は、何も映していないようだった。
―――――カチッ
ヒサが苛立ちを抑えるためにタバコに火をつける。
片手をポケットに突っ込みながらゆっくりと紫煙を吐き出す。
その仕草は"妖艶"その言葉がぴったりだった。