総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
そうか、レナちゃんも同じ手で・・・。
「それで?なんで今頃になって、自由に泳げるようになったんだ?」
「今のシンには、手駒となる姉貴がいねぇからな。」
枷がはずれたか。
ヨウが、ヒサの手から掴まれていた胸ぐらを剥がす。
ヨウの首にぶら下がる、ネックレスが音を立ててちぎれる。
それをゆっくりと拾い上げる黒サン。
「大事なものなんだろ?」
「あぁ。わりぃ。」
それは、レナちゃんがつけていたものととてもよく似ていた。
「おい。それ・・・。」
俺の目を睨みつけてから、またネックレスに視線を落とすヨウ。
「これが、唯一俺と姉貴を繋ぐものだ。」