総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
少し不思議な女の子だ。
そして、とても悲しい過去の、悲しい現実の持ち主だ。
しかし、急にいなくなったときは少しショックだった。
きっとあの日の話を外から聞いていたんだと思うけど、出来るなら頼ってほしかった。
もっと、不安なことや心に溜めてることを話してほしかった。
急にいなくなった姉貴とレナちゃんが、かぶってしまったから。
俺と並行して走るヒサを横目に見る。
その目はとても真っ直ぐで不安の色など全くなかった。