先輩とあたし【完】

放課後グランドに行くといつも最後に来る稲森先輩がお茶の用意をしていた。

「何してるんですか」ムスッとした顔で尋ねると彼は気まずそうに私に「ごめんな、本間」と謝ってきた。

何か本気な顔で言われたら恥ずかしい。

「べ、別にもういいですよ」拗ねてる顔を見ると何か可愛い。

「ほら、」そう言って制服のズボンから出したのは温かいココアが入った缶。

「これで許せと?」コクンと頷く稲森先輩。

「嫌でーーーす」ニコニコ笑いながら言うと

「はー?!なんやとこら」笑いながら水をかけてくる先輩。

< 10 / 52 >

この作品をシェア

pagetop