先輩とあたし【完】
story*3
「あっ、伊織やん。どないしたん?」自転車を引きずって帰ってる私に声をかけてきたのは稲森先輩。
「あ、先輩…」先輩は自転車から降りて自転車を押しながら私の隣を歩き始めた。
「自転車パンクしちゃって」苦笑いな私に納得している稲森先輩。
「家、ここら辺か?」
「あっ、はい」
「じゃあ家まで一緒に帰ったるわ」いつものようなトーンで話す稲森先輩。
「いけますいけます」私は片手で稲森先輩に手を振る。
別に嫌とかじゃなくて本間に申し訳ないと思ったから。