先輩とあたし【完】
story*5
「伊織ー、なんか先輩呼んでるよ」クラスの女の子が私に教えてくれる。
私が教室の扉の方を見ると茶髪の女の先輩が腕を組んで立っている。
「何ですか?」私は先輩に誘導されるように人の少ない場所に連れていかれた。
いつかこんなことはある…そう覚悟していた。俊哉先輩の回りには男の先輩もいっぱいだけど、それ以上に女の先輩がまとわりついてた。
だからこうやってなんか言われることは想像していた。
「あんた、俊哉と付き合ってんの?」一人の先輩は段差に座り込みもう一人の先輩は壁にもたれていた。
怖くない…怖くない…そう自分に言い聞かせて堂々と先輩の前に立っていた。
「はい、付き合ってます。」ほんとは怖いのに。
「うぜーんだよ。お前と付き合ってからの4ヶ月間全然話もまともにしてくれなくなったんだけど。」
「それを私に言ってどうなるんですか?」壁にもたれていた先輩が私の手を思いきり引っ張ってきた。