先輩とあたし【完】
story*8
あれからも俊哉先輩とも話すし、稲森先輩とも話す。
二人とも普通に私に接してくれた。
前よりもずっとずっと楽しくて楽しくて。
でも、最近変わったことがある。
稲森先輩があれから伊織と呼ぶようになったこと。
また、私も准弥先輩…と呼ぶようになったこと。
そして、彼を先輩ではなく一人の男の人として
見るようになったこと。
私は否定していたのかもしれない。
准弥先輩を好きにならないように…ならないようにと。
でも、素直に自分の気持ちに頷けるようになった。