先輩とあたし【完】
story*9
____卒業式
もうすぐ春がやってくる。まだ少し寒いこの時期に先輩は卒業する。
分かっていたけどやっぱり先輩が居なくなるのは寂しい。
「准弥!」待ち合わせしていた屋上で准弥と落ち合う。
私は彼のことを准弥と呼んでもう敬語も使っていない。
彼がそうしてほしいと言ったから。
「おー伊織っ」准弥は柵に凭れて景色を見ていた。
「何してんの?」准弥の側に近寄り彼のほっぺたを掴んでみる。
「んー?空にな、ありがとうて言ってた」
笑いながら私の頭を優しく撫でる准弥。
「空にありがとう言ってたん?何のお礼?」
「伊織と出会わせてくれてありがとうてお礼や」そう言って私にキスをする。