通り道
後悔の日々
ひでちゃん、起きてよ。朝よ。

階段の下から母の声がした。

ひでちゃん、早く起きんと

と、言いながら俺の部屋へ入って来た。

勝ってに入って来るなや!ボケ!

母を部屋から追い出した。扉の向うから、

ひでちゃんまた夜、何処かに行ったの?お願いだから悪い事はしないでよ。

うるせー!お前には関係無いじゃろーが!

ドアに鞄を投げ付けて言った。母は黙って階段を降りて行った。俺はすぐに制服に着替えて外に出た。外に出ると同級生のヒロシが待っていた。

あっ、ひでちゃんおはよ。
おう。

ヒロシはいつも自転車て俺を迎えに来ていた。
家の玄関が開き母が、

ひでちゃん行ってらっしゃい。

と、言っていたが、俺は無視をして自転車の後ろに乗り、

おい行け。

ヒロシに言う。
学校に着き教室に入ると友達のヨシオがいた。

ひで、昨日の夜は面白かったな。

うん。面白かった。今日も行こか。

じゃ、また夜一時に俺ん家集合な。

わかった。なら、夜に備えて今から爆睡だな。

机に着くとすぐに眠った。朝まで遊んでいたから、すぐに眠れた。ヨシオも、すぐ眠っていた。

気付くと、昼になり昼飯を食べてまた寝る。ほぼ毎日こんな感じに過ごしていた。
学校が終わると、いつもの様にヒロシの自転車の後ろに乗り家に向かった。

ヒロシ、今日わかってるか?夜一時ぞ!

うん。ヨシオ君家よね。わかった。絶対行くよ。

と言って帰って行った。

家に戻ると俺は大体部屋にいた。部屋では、テレビを見たり趣味で買ったギターを弾いたりしていた。

夜八時ぐらいになると晩飯や風呂に入ってまた部屋にいる。

一時まで、まだ時間があるとまた寝ていた。
すると夜中、母と父の話し声が聞こえて来た。
毎日毎日何処に行ってんの!

会社の人と飲んでたんだ!付き合いも大事だろーが!
でも毎日飲まなくても良いんじゃないの!

お前、誰に言いよるんじゃい!バシッ!

痛っ!

何度も殴る音がした。
この光景は別に珍しくなかったが、なぜか俺は、父に腹が立って来た。

だが、別に行動には出さなかった。

煙草に火を付けて時計を見るともうすぐ一時になりそうだった。




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