通り道
貴司は部屋に戻った。
冷たい奴。

母さん夜また痛くなったら呼んでね。
それと早く病院行けよ。

うん。おやすみ。

俺は部屋でなく、一階に布団を敷いた。

外は、凄い雨だ。

この雨で一段と、この家は無気味さを増していた。

夜、物凄い雷がなって、またしても俺は目が覚めた。

またか!

雨の音が耳につく。

雨の音を聞いてると別の音が聞こえてきた。
ギシッ!ギシッ!

俺、はっ!とした。

階段を上がる音だ。

俺は丁度、階段の下で寝ている。

俺は耳を澄ませた。

ギシッ!

また一段。

ギシッ!

また一段。

間違なくない何かが、2階に上がっている。
俺は布団から、顔をゆっくり出してみた。
台所が見えた。

台所には小さい窓がある。
窓から雨を見ていると、窓の上の方から、
次第に赤い液体が流れてきた。

わあっ!母さん、母さん!

大声で叫んだ。

が、声がでない。

窓が真っ赤になり、しだいに部屋の壁まで、ジワジワと、赤く染まって行った。

つぎの瞬間!

一気に部屋全体が赤く染まった!

俺は、怖くて布団の中に、潜り込んだ。

気付くと朝になっていた。

何だったんだ?夢か?
何がなんだかわからないまま朝を迎えた。

この事を母に話し、母が婆ちゃんに電話をした。

わかった。なら、後また電話してね。

と電話を切った。

何だって?

婆ちゃんが霊媒師の人に電話して聞いてみるだって。

その霊媒師の人まだ来てくれんの?

その人、今仕事で県外にいるから、来れないんだってよ。

そっか。なら、しょうがないか。

すぐ婆ちゃんから、電話が掛かってきた。

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