通り道
。痛っ!
母は、お腹を押さえて言った。

どしたん?

何でもないよ。最近、便秘でね。

ボケ!


そして何日か、たった夜。

俺は、なぜか目が覚めた。
時計を見ると、一時ちょっと過ぎた頃だった。
まだこんな時間か。寝よ。

すると階段から、

ギシッ!

と、音がした。

俺はゾッとした。

この前の父の光景が蘇った。
すると、また

ギシッ!ギシッ!

俺は、鼻から上を布団から出しドアを見つめた。
俺は唾を飲み込んだ。
ゴクッ!

静かにドアノブが回っていった。

俺はガチガチ震えた。
ドアが開くな、開くな。
俺は心の中で祈ったが、ドアは静かに開いていった。

少し開き、止まった。
俺は何が部屋に入って来るのか、じっと見た。
だが誰も入って来る様子が無い。

はぁ、

と、安心した瞬間、
ドアの下の方から誰かが覗いていた。

じっと、俺を見ている。
俺からは、誰だか、わからない。ただ目玉だけが見える。

うわっ!

俺はすぐに布団の中に潜った。

こっちに来るな。来るな。

と祈りながら。

気が付くと、朝になっていた。
朝すぐ母に夜の事を話した。

見間違えよ。

と、笑われた。






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