通り道
次の日から母の送り迎えが始まった。

その日から俺は母、兄に会う機会が滅多に無い。

朝起きると、もう学校に出てる。帰っても、迎えに行っている。

父は父で家に、あまり帰って来ない。母に聞くと

浮気でもしてんじゃないの?

と、気楽に言う。

俺は父が心配じゃないのか、と聞くと

父さんなんか、いない方が良い!

と言っていた。

だったら別れれば良いのに

と、言ったが、それ以上、母は何も言わなかった。

俺には、サッパリわからない。
いない方が良いなら、なんで別れないのだろう?。

疑問だけ残った。

そんな生活が半年ぐらい続いた頃だった。

また俺に恐怖の夜が来た。

その日は何もする事がなく早めに眠った。

早く寝たせいか、夜中に目が覚めた。

あ~ぁ。変な時間に目が覚めたなぁ。テレビでも見よっ!

パチッ。

なんだよ。どのチャンネルも通販番組ばっか!面白くねぇ。

パチッ。

テレビを切り布団に潜った次の瞬間!

ドーン!ドーン!

地震かと思うぐらい家が揺れ、
音は太鼓を叩いたぐらい、大きな音だった。
うおっ!

ビックリして飛び起きた。
体を起こし廻りを見渡した。
何もない。

外かな?

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