過去より、もっと良い恋をあなたと・・・
それからしばらく、私たちは言葉を交じ合わせることは無かった。
でも、五十嵐はその間ずっと私を優しく抱きしめていてくれた。
そろそろ行かなくちゃ!
『い・・・ねぇ?』
危ない!
〈五十嵐〉って呼んじゃうとこだった。
五十嵐は気づいちゃったかな?
『どうした?』
あれ?
何にも言ってこない。
気づいてないフリしてくれてるのかな・・・
『あのさ、そろそろ真海のとこに行こうと思うんだけど!』
五十嵐は少し不安そうな顔を見せたが、
『分かった。平気か?』
やっぱり、心配してくれてるんだね。
『うん!五十嵐がずっと傍に居てくれたから落ち着いたよ!!』
あっ!
言っちゃった。
どうしよう・・・
『そっか。じゃあ、行くか。』
ん?
また何も言ってこなかった??
『うん、行く♬』
まぁ五十嵐の優しさということにしとこうかな!
今は。
『何処に居っかなぁ・・・』
そうだ!!
真海が何処に居るか分かんないんだ。
私の馬鹿ーーーー!!!!!!!
と心の中で言いながら頭をポコポコ叩いていたら、
パシッ
『何してんだよ。変な目で見られるからやめろ・・・』
私の左手首を掴んだのは五十嵐だった。
恥ずかしかったかな////
でも、隣に居る人が変な行動とってたら誰でも恥ずかしいよね。
謝らなくちゃ!
『ね、ねぇ!』
無言で振り向いた五十嵐。
なんか今の顔、スゴク色っぽかった。