過去より、もっと良い恋をあなたと・・・
『誠人ってさぁあの頃から全然私の気持ち読めてないよね・・・』
私は誠人に背を向け、ため息をついた。
しばらくすると、誠人が後ろから手を回し、抱きしめてきた。
『ゴメン・・・どうしたら、許してくれる?』
そんなこと言うんだったら最初からもっと私の気持ち、考えてよ!
私の目から1粒涙が溢れた。
『・・・して・・・』
あんま言葉になんなかったなぁ~
『もう1回言って?』
『キス、してくれたら・・・一応許す。』
私今絶対に顔真っ赤だ。
見なくても分かる、心臓が物凄い速さで鳴ってるもん!
『分かった。それじゃあ、コッチ向いてくれる?』
私は誠人に言われた通りに、誠人の方を向いた。
誠人は、私の髪を撫で下ろし、
『分らず屋でゴメンナ・・・』
誠人のその言葉が切れたと同時に誠人の唇が触れた。
そして、だんだんと深まって行く、キス。
『・・・んっ!』
誠人の舌が、私の口の中に侵入してきた。
いくら逃げ回っても捕まってしまう私の舌。
溶けちゃいそうだよ、誠人・・・
『これで、許してくれる?』
もう終わちゃったのか。
もっとして欲しかったなぁ~
『一応ね!』
『一応って何だよ!?』
だって、簡単に許しちゃったら面白く無いでしょ?
私はそんなに甘くないんだから!
ガタンッ
いきなりとても大きな物音がした。
その音がした方向に目をやると、そこに居たのは五十嵐だった。
『わ、わりぃー邪魔するつもりは無かったんだけどさぁ。』
『うん。ていうか、大丈夫?なんかあたったんじゃない、その手・・・』
私は五十嵐の右手を指差した。
『こんなの大丈夫だ!じゃ、じゃあな~』
私は去ろうとする五十嵐の手に飛びついた。
『な、何すんだよ!?危ねぇだろ。階段なんだから落ちる・・・』
五十嵐の顔が近い。
こんな距離、久しぶり・・・
なんで、こんなにドキドキしてるんだろ?