過去より、もっと良い恋をあなたと・・・
~2年C組~
チャイムが鳴ってしばらくすると教室のドアが開いた。

ガラガラ

「席に付け~」

入ってきたのは・・・

〈山ちゃ~ん!!〉

と、もともとA組だった子たちは呼んだ。

私と真海もその中の1人。

「去年、一緒だった生徒もチラホラ居るが一応自己紹介をしようと思う。」

山ちゃん、相変わらず堅い(笑)

「えー俺の名前は山田勝也。1年間ヨロシク!」

数名から拍手が飛んだ。

「君たちの名前等はもう覚えたので、自己紹介はしないぞ!」

『山ちゃん、最高!!』

真海がガッツポーズをしながら言った。

私は小さな声で真海に話しかけ、

『去年はブーイングされたから覚えてきたのかなぁ(笑)』

真海は大きく頷いた。

『きっと、そうだよ!』

「そこのお2人さん、出席取るけど良いか?」

この言葉、似たような言葉を前にも聞いた気が・・・

『すいません!進めて下さい!!』

頭に浮かんだ言葉を言ったら、真海とハモった。

「相変わらず、息ピッタシだな(笑)」

私と真海はお互いに顔を見合わせ、笑った。

「じゃあ、出席取るからなー。五十嵐!」

『・・・は~い。』

五十嵐は寝ていたようで、あくびをしながら返事をした。

「お前は1年間、何も変わんねぇな~」

『そうッスカ?』

そんな2人のやり取りを見て周りの子は笑っていた。

真海の顔を見てみると、苦笑いをしていて気まずそうだった・・・

『山ちゃん、早く進めて!休み時間無くなっちゃう!!』

「清野、悪いな!早く終わらせるよ。』

そうすると次々名前が呼ばれていき、ホームルームが終わった。

山ちゃんが教室を出ていくと、真海が私の背中をツンツンしてきた。

『愛菜、ありがとね。あたしに気遣ってくれたんでしょ?』

真海は五十嵐と別れてから、自分のことを〝あたし〟と言うようになった。

だから、昔よりわんぱく感が無い。

『気遣った訳じゃ無いけど、なんとなくかな!』

すると、アイツがコッチを見ているのが分かった。


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