過去より、もっと良い恋をあなたと・・・
でも、私はその視線を無視して真海に向き直った。

『そぉ?なんか、五十嵐と別れてから愛菜に迷惑ばっかり掛けてない?』

真海もう1つ言い方を変えた言葉がある。

五十嵐を〝俊〟と呼ばなくなったこと・・・

『そんなこと無いって!真海は気にしすぎだよ♬』

真海は私の左手を取り、力強い目で私を見た。

『あたし、愛菜に助けてもらわなくても大丈夫なように強くなる!!』

なんの宣言!?

『えぇ!?真海、熱でもあるんじゃない?』

私は思わず真海のおでこに手をあてた。

『本気だよ!信じて?』

少し首を傾けた真海。

可愛すぎるって/////////

『分かった!無理はしないでね?』

『もちろん♬すぐに上手くいく訳ないし!!』

さりげなく、アイツの方を見たら目が合ってしまった。

ヤバッ!!

『愛菜ーあたし、トイレ行ってくるね!』

このタイミングでですか!?

『いってらっしゃーい♬』

真海が教室を出て行ってから、もう1度アイツの方を見たら何か合図を出しているようだったが、私は分からないので首を傾げた。

そうしたら、口パクで・・・

『お・く・じょ・う』

私は声に出した。

『屋上?』

五十嵐は頷き、口パクを続けた。

『さ・き・い・って・る・か・ら』

『先行ってるから・・・』

また五十嵐は頷いて続けた。

『お・ま・え・も・あ・と・か・ら・こ・い』

だんだん長くなってない?

読み取るの大変なんですけど・・・

『お前も後から来い。』

私が声に出して言い終えるのを確認したのか、五十嵐は教室を出て行った。

それと入れ替わりに真海が帰ってきた。

『お待たせートイレ、混んでて!』

『お帰り!』

どうしよう。

屋上、私が行くべきなの?

真海に行かせた方が良いんじゃ・・・

『ねぇ真海。』

『何?』

真海は私が話し出すのを待っているようだ。

『あのさぁ・・・』

私は真海がトイレに行っていた間に起きた話をした。

『そうなんだ。』

『真海、良いチャンスだと思う。行ってきて?』

真海は驚きながら答えた。

『五十嵐が読んだのは愛菜でしょ!?何であたしが・・・』

『今アイツと話さなかったら、もう話せないかも知れないんだよ!?』

『でも・・・』

真海は困っているようだ。

真海、許して!

『ウジウジしてないで、さっさと行け!』

『ウジウジって。愛菜?』

目がまん丸。

相当驚いているようだ。

『私、ウジウジしてる人大嫌いなんだよね。』

『そこまで言わなくても良くない!?』

『言われるのが嫌なら、屋上に行ってくれば?』

『分かった!行ってくる・・・』

『山ちゃんには伝えとく。』

『ありがと・・・』

ねぇ真海。

私たち、今日初めて喧嘩したよね。

頑張れ!

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