過去より、もっと良い恋をあなたと・・・

今、あたしは屋上に向かっている。

さっきのは酷くない？

いくらなんでも

『大嫌いって・・・』

そんなことを考えていたら、いつの間にか屋上に出るドアの前に立っていた。

『落ち着けあたし。強くなるって決めたじゃん！』

あたしは１回深呼吸をして、重いドアを開けた。

五十嵐はそのドアの目の前に立っていて、ドアが開いた音を聞きコッチに振り返った。

『俺が呼んだのはお前じゃ無いけど？』

そんなの知ってるよ！

声に出さなきゃ伝わらない・・・

『そ、そんなの知ってるよ！』

言えた。

『だったら何で来たの？』

説明しなきゃ。

あなたと普通に話したりしたいって。

『あたしは、あなたと別れてから変わったの｡だけど・・・』

止まっちゃダメ！

頑張れあたし！！

『あなたに未練がある訳じゃない｡もう吹っ切れてるし！』

五十嵐はあたしの方をじっと見ている。

何で何も言わないの？

『１つだけお願いがあるの｡』

『何？』

勇気を出せ！

愛菜に大嫌いって言ったこと、謝らせるんだから！！

『普通の友だちになって？』

『俺言ったよね？友だちになんて戻れないって・・・』

もう少し頑張れ！

『言ってた。でも、五十嵐と普通に接したり出来ないと愛菜が気にするから・・・』

今日だって、あたしに怒ったのは愛菜の優しさなんだ。

あたしと五十嵐を仲直りさせるために・・・

『アイツが何を気にすんだよ｡』

『ホームルームの時間、山ちゃんと五十嵐が話してた時周りの人たち笑ってたでしょ？』

『あぁ｡』

『アレであたしが気まずいのに気づいてくれて、山ちゃんに早くするように言ってくれたんだよ・・・』

あたしの目からは涙が溢れた。

『もう、愛菜には心配掛けたく無いんだ・・・』

五十嵐は黙っている。

あたしが好きになった五十嵐なら、分かってくれるよね？

『はぁー。分かったよ・・・』

『ホントに？』

五十嵐は私の涙を拭いてくれた。

『泣かれちゃ断れねぇだろ｡』

『アハハ(笑)じゃあ、次の授業から戻ろ！』

『おぅ｡』

愛菜、もう心配しないでね！