過去より、もっと良い恋をあなたと・・・
帰り道、誠人は学校を出てから一言も喋らない。

『誠人?具合でも悪いの?』

誠人は返事をしない。

考え事でもしてるのかなぁ?

『誠人!』

『あっ!ゴメン。』

『大丈夫?何か悩んでることがあるなら言ってね!』

『ありがと!愛菜、公園寄ってかない?』

公園?

あそこのかなぁ・・・

『良いよ!話あるって言ってたもんね!!』

『うん・・・』

私たちはブランコに座った。

私は奥の、誠人は手前のに・・・

『あのさぁ愛菜。』

『なぁに?』

誠人、凄い真剣な顔してる。

今までに見たこと無いぐらいに・・・

『オレ高校卒業したら、ドイツに行くことになったんだ。』

『えっ?何言ってるの。ドイツって・・・』

ふざけてるだけだよね?

だってドイツだよ?

『お父さんの転勤とオレの留学話が重なっちゃって・・・』

『転勤?留学?』

頭が混乱して誠人の言ってることがうまく理解出来ない。

『誠人は、私の前から居なくなるってこと?』

『そういうことになるね。』

どうしていきなりそんな話をするの?

もっと前から決まってた話なんじゃ無いの?

『何それ・・・誠人は、また私を置き去りにするの?』

私はいつの間にか泣いていた。

自分でも気づかなかった・・・

『本当は愛菜を置いて留学なんてしたくない。でも・・・』

でも、何?

『お父さんは医者なんだ。だから、オレは跡を継ぎたいんだ。』

誠人はお医者さんになりたかったの?

そんな話全然してくれたこと無かったよね・・・

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