過去より、もっと良い恋をあなたと・・・

五十嵐のあんな力のこもった声、初めて聞いたな~

まぁ会ってからまだ1日も経ってないからかも知れないけど。

『五十嵐?』

『なぁ。俺に話してくれない?』

その言葉を言い終えると私から離れて、隣のベッドに座った。

『な、なんのこと言ってるのか、分からないんだけど・・・』

私、震えてるの?

そりゃそうだよね。

あんな出来事を体験しちゃったんだもんね・・・

『アンタがそんなに怯えてる理由だよ。』

そんなこと分かってるよ。

アナタが聞きたいことは、この最悪な出来事の話でしょ?

『言えな、い。口に出すのが怖いの・・・』

言わせないで!

もぉ限界に近いの。

忘れさせて・・・

『怖いと思うなら、俺に言えよ。そしたら、俺がお前を守るから!』

そんな優しい言葉かけないでよ!

駄目だと思いながらも私は、五十嵐の胸に飛び込んでいた。

五十嵐は優しく私の頭を撫でてくれた。

『ゆっくりで良いから、話してみて?』

不思議。

私の体は五十嵐の言葉を聞くと震えが収まる。

『あのね・・・』

そして私は、五十嵐に抱きしめられながら頭を撫でてもらい、最後まで話すことが出来た。

『そんなことが合ったのか・・・』

『五十嵐は関係ないのに、話聞かせちゃってゴメンネ?』

五十嵐は私に微笑みかけた。

『謝るな。俺が無理矢理言わせたんだよ?』

どこまでも優しいんだね。

そーやって優しい人は可哀想だ・・・

私みたいな心の弱い人に優しくするから。

『俺の意見言っても良い?』

五十嵐の意見?

どんなだろう・・・

『良いよ!』
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