5つの欠片
1.真一×結羅

「燈火」

ベッドに座ってあぐらを掻きながら、キッチンの方に目をやる。
俺に背中を向けて鍋を煮込んでる様子がしっかり見える。




仕事帰りだから髪が1つに束ねられていて、ちらちらと見えるうなじがなんとも興奮する。
やばい…可愛い。





座ってる場所から丸見えのキッチンでは、早めに仕事を切り上げてくれた結羅がご飯を作ってくれていた。




2人で会うの、何日ぶりだろ…
ため息をついて近くにある机の上を眺める。




携帯に財布、煙草、その隣には俺の顔が表紙の雑誌が無造作に置かれている。




《天才ピアニスト!若手注目株NO.1 神木真一》





顔の横に寄せられた文字を睨む。
次の瞬間にはため息しかでてこない。





はぁ…
まさかこんなことになるなんて…





こんな形を望んでた訳じゃなかったのにな…







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