5つの欠片

「約束」

酔ってるちづちゃんを支えながら家に着いたのは4時だった。
半分寝かけているちづちゃんの体重がかかったり、浮いたりする。




「ちづちゃん、着いたよ...」




マンションの扉の前でちづちゃんに声をかける。
とろんとした目が見つめてきて、思わずドキッとした...
だから、外で飲ますの嫌なのに...
どんだけ可愛い顔してるか分かってんの...?




「ほんとだぁ、おうちー」



ちづちゃんが甘い声を出して、先に玄関をくぐる。
追いかけるように扉をくぐると、ちづちゃんに手を引っ張られて抱きしめられた。




まったく...ちづる...
酔うといっつもこうなんだから...
まぁ、こんな時しか甘えたの顔見れないのも事実なんだけど...




「...大地くん」




名前を呼びながら、顔を近づけてくる。
俺は残り5センチで唇に触れるってとこで、ちづちゃんの唇に指を当てた。
一瞬はっとしてみるみる内に不機嫌になっていくのが分かる...
可愛い顔...




「...やだ」




やばい...色っぽすぎて...
これ以上言われて我慢できんのか自信ないや...





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