5つの欠片
「...ごめんね、大地くん...
 昨日、またやっちゃった...」



腕の中でもぞもぞとちづちゃんが動く。
絶対頬は赤く染まってるんだろうな...




「許してやんない。
 大変だったんだよ、言うこと聞かなくて...」


「...ごめんなさい」


「外であんなに飲んじゃだめってゆったでしょ?
 なんで昨日は店に来たの?」



「...............」



黙ったまま俯くちづちゃんの顔を片手であげる。
思いっきり視線を逸らされて、ちょっと不安が浮んだ。
だけど、頬は思った通り赤く染まってた。




「...ちづちゃん?」


「......会いたかったから...」


「...っ」
「大地くんに......」




そう言うとまた下がっていこうとする顔をなんとか片手で持ち上げて、強引に唇を押し当てた...
もう...可愛すぎる...
おかしくなりそう...




やわやわと舌を甘噛みして離すと、ちづちゃんは真っ赤な顔で下を向いた。






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