5つの欠片
固まるちづちゃんの目が面白い。
いっつも覚えてないもんね。



「また覚えてないの?あんなに甘えん坊だったのに。」



「...また?」



「放してって言ってんのに放してくんないし...
 水もなかなか飲まないし。」


「うそ?」


「ほんと」



笑いながら、ぎゅっと抱き締める力を強めた。




「あんな姿、絶対他の人に見せないでね…」




耳元で囁いて、そっとキスを落とす。
腕の中で小さく頷いたのが分かった。




「約束...」




そう言って舌で舐めたら、ちづちゃんがくすぐったそうにもぞもぞと腕の中で動いた。




ちづちゃんの小指が俺の右手の小指を掴む。
その瞬間、小さな優しい声が白いシーツの上の空気に触れた...




「約束...」





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