5つの欠片
ぐずって泣いていた子供を宥めるような優しい目が俺を見つめる…




なんで、そんな目なんだよ…
あんな乱暴にしたのに…
もっと怒ればいいじゃん…




俺は結羅の目を見ずに俯いた。




「真くん…どうしたの?」




ほらまた子供扱い…



「…ねぇ、真くん………




 
 ………好きよ…」





結羅の口から零れる言葉。
下を向いていた俺の目をしっかりと捕えて言う結羅はズルい…




魔法の言葉が胸に沁みこんでいく。
腐った心を溶かしていく…





やっぱり結羅は俺なんかより1枚も2枚も上手で。
何度も俺にとって必要なんだと思い知らされる……






優しくて甘い結羅のキスは軽く触れて去っていく。
それは今日やった何十回のキスよりも甘くて、許されてるようだった…





かっこ悪いな…俺…
ごめんね…結羅……







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