5つの欠片
いらいらする日々の中で、結羅は唯一の燈火だった…




結羅に出会えたことだけが、ここ数年の人気現象の中での幸せだった。
俺に人気がなかったら、やっぱり結羅には出会えてなかったんだろう…




そう考えると、それだけは神様に感謝したい気分だ…





「結羅…?」




聞こえてなかったか?
そんなに料理に夢中?




なかなか来ない結羅の背中を見てもう一度呼びかける。





少し振り向いた結羅の顔は、やっぱり今日も綺麗で…
早く結羅に触れたい…





「結羅、早く」

「待って…まだ途中なの」

「そんなんいいから、早く」




いつまで焦らせる気だよ?
もう限界なんだけど。





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