5つの欠片
ママが決めて進まされた私立の女子高校。
ママが勝手に選んだ短大。



姉のことがあって、あたしは余計に縛られることが増えた。




門限が早まったり、習い事が増えたり。
ちっちゃなことを言い出すとキリがないぐらい生活は変わってしまった。




でも、どれだけ制限されたところであたしに選択肢はない。
ママが敷いたレールの上をただただ走るのみ...




そう…
それだけ。




…だけど、外を知らないあたしにはそんなに不満はなかったの。
むしろ、ママが喜ぶ姿を見れてそれなりに幸せを感じていた。





習い事が上手にできた時や、課題をこなした時…
ママは誰よりも喜んでくれたし、一番に褒めてくれた。





そんなママの笑った顔が見たくて、無我夢中のまま突っ走って、
結局、あたしが外の世界を認識しだしたのは短大を卒業してからだった。






勿論、就職先もママが決めた。
あたしは松井家が経営しているお花屋さんの店長に指名された。





ここから運命が動き始めたの...
あたしのレールは峻くんに向かってまっすぐ伸びた…





あたしの歩いてきた道は、間違ってなかった……
そうだよね…峻くん…




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