5つの欠片
だけど、飲んでも飲んでも酔えなくて…
缶だけがどんどん空になっていくだけだった。



また怒られそうだな、莉央に…
何してんのって眉ハの字にして…




信じらんないってちょっと拗ねた顔で言われて…
もうこんなことしないでって泣きそうになって…




肩にかかる髪の毛がふわっと揺れて…
最後には、まるでお母さんみたいに抱きしめてくれて…




はぁ…、なんで一人でこんなに不安がってるんだろう…
莉央はそんなこと一言も言ったことないのに…





…こんなの俺の勝手な妄想?




莉央はきっと帰ってくる。
この部屋に戻ってきてくれる。




だけど、それが本心なの…?



莉央はなんのためにここに帰ってくるの…?
日本に帰ってきて、莉央のしたいことはあるの…?




新聞の写真が脳裏にちらつく…





もう…ワケわかんないよ…






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