5つの欠片
知らない間に夢の中に落ちていた俺の手を誰かの手が包んだ…
ふわふわとした空間で見上げるとそこには莉央がいて…




俺の大好きな笑顔で笑ってた。
全てを包み込んでくれるような、癒してくれるような…




俺だけの、誰にもあげたくない笑顔で……




「…莉央」



思わず夢の中で呼びかけると莉央はぎゅっと手を握って、俺の顔を覗き込んだ。



「何?」



笑顔のまま落ち着いた声でそう言うと、そっと俺の頬を両手で包んで軽く唇にキスした…





その感触が甘くて、まるでキャンディーみたいで
一緒に溶けてしまいそう…




「…まぁくん……」




言葉と同時に莉央が体に腕を回した。
莉央の体温がしっかりと伝わってきて、夢と現実の狭間を行き来してるみたい…




徐々に引き戻されていく感覚にゆっくり目を開けると、さっきの夢と同じ体温が伝わってくる。




ガラスのテーブルに突っ伏して寝てた体を起こすと、抱きついてた莉央が俺の目を見つめた…






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