5つの欠片
目の前にある窓から日差しが入ってきて、俺と莉央を明るく照らした。
周りに散らばっていたはずの空き缶が全部キレイになくなっていた…




「莉央…」


「…ん?」


「帰ってきてたの?」


「うん…」


「いつ?」


「ついさっき…」




起きたら莉央が居て驚いてない訳じゃなかったけど、思った以上に冷静な自分が居た。




「ちょっと飲みすぎちゃった…」




苦笑しながら水を飲むために立ち上がろうとすると、ぎゅっと掴まれた莉央の腕に止められた。




「…莉央?」



「…やだ…行かないで…」



「莉央…」




珍しかった…
滅多にこんな風に甘えることなんてなかったから…




頬を少し赤らめて俺の肩に顔を乗せてる。
俺は莉央の背中に手を回して、ぎゅっと引き寄せた。







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