5つの欠片
「…どしたの?今日はやけに素直じゃん。」




俺の言葉に莉央は胸の中で顔を上げた。




「まぁくんのせいだよ…」



「…どーゆー意味?」



「まぁくんがいつもと違うから…」



「え……?」



「…ねぇ、まぁくん……笑って?」




何でもお見通しなのかな…莉央には。
やっぱりかなわないや。



ねぇ、莉央…。
ずっと傍にいてくれる…?




逢いたかったよ……





「…いーや」




俺はそう言って莉央の鼻を摘んで、そっとキスを落とした。
前髪を掻き分けて両手を添えると、可愛くて小さな唇を捕えた。




どこにも行かないでね…莉央…





おかえりなさい…




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