5つの欠片
「真くん、痛いよ…」

「…結羅、俺のこと好き?」

「うん」

「うんじゃなくて、好き?」

「好きだよ」

「俺も好きだよ…」




俺は結羅の髪留めを外して、ふわっと広がった髪に顔を埋めた。
途端に立ち込める甘い香り。



シャンプーの匂いが鼻を刺激する。
やばい、とめらんない…




目の前にあるうなじから順にキスを落としていく。
俺は結羅を向き合うように抱えなおして、またぎゅーと抱きしめた。





お願い、居なくならないで…
そんなの考えられない…




不安で不安で仕方なくて、夢中で顔にキスを落とす。
額、目、鼻、頬…そして唇




結羅は上手に応えてくれてる。
好きだって伝えてくれてるのもわかる。




だけど、どこか距離があるように思うのは俺だけなの…?
ねぇ…結羅?





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